これからのビジネスは、頑張らない会話術とメール・LINE使い分け術を磨いておこう

社会人が避けて通れないのが、仕事相手とのコミニュケーション。上司や同僚ならまだしも、取引先とのやりとりは、直接会社の業績に影響するため、気を使うシーンも多いはず。

ここ10年くらいで電話は随分と減り、さらにコロナ禍以降、メールだけのやりとりも加速。またZOOMなど、直接会うことはなくてもモニター越しに顔を合わせるというスタイルも定着しつつあります。

今も昔も『会話術』なんていうと本やセミナーなどの情報教材が山ほどありますが、人とのコミュニケーションは、果たして“技術”だけ磨いておけばいいのでしょうか?

目次

「ビジネス会話術」は必要?

電話や訪問で初めてのところに飛び込んで営業する業務スタイルの場合は、もちろん会話が重要。掴みが魅力的すぎてバンバン契約を取っていく『伝説の営業マン』みたいな人、どの時代にもいましたよね。

そう言えば、お笑い芸人のサンシャイン池崎さん

芸人としてブレイクする前まではアルバイトで生命保険のテレアポをしていたそうですが、なんと営業成績は1000人中2位という、トップセールスマンだったのだそう。アルバイトの立場ながら正社員をおしのけ社長賞をもらったことも。

資格がないと直接内容を話したり契約に進めることはできないため、盛り上がったところで先輩社員に渡す役割でした。が、一人で契約まで進められるようにと資格を取ってアルバイトを続けていたのだそう。かなり真面目ですね。

あまりに成績がいいので度々社員にスカウトをされるも、芸人の道を諦めずに今に至るそう。

そのコミュニケーションスキルが彼の“芸風”に直接活きているのかというと謎ですが、芸人の先輩やテレビのスタッフさんの受けは良さそうですよね。仕事は円滑な人間関係が築けないとスムーズに進みませんから、そこも大事ですよね。

ちなみに、あんな体育会系な風貌とキャラな池崎さんですが、最初は肉体労働系のアルバイトを始めたのだが、肉体的にも精神的にもしんどくて「デスクワークがしたい…」となってテレアポを選んだのだそう。キャラ崩壊では??

そんなわけで、会話力がある人は仕事でもプライベートでもいい印象で魅力的。誰だってそんな力をつけたい!ということで『会話術』に行き着くわけですね。

しかし、元来おしゃべり好きな人、外向的な人は、元々の性質にプラスしてより話を膨らませる技術があったらいいかもしれません。しかし、そうではないタイプの人はどうしたらいいのでしょう?

相手に気持ちよく話してもらう

話し下手な人は頑張って話すよりも、いっそ相手に気が済むまで話してもらって、聞き手に徹するのがいいそうです。(もちろん、頑張ってみることには価値があると思います!)

「でも営業に行ったのに、こちらの商品を売らずに相手に喋らせるってどう言うこと?」って思いますよね。しかし、そもそも飛び込み営業だっていきなり「こんにちわ!これ買ってください。」は成立しません。

雑談やアイスブレイクなんて言い方もしますけど、必ず本題に入る前にはその場を温める会話が必要。ビジネスだろうと、目の前に対峙しているのは人間ですからね。

その雑談を、喋り上手な人は自分でネタを振って広げるところまでできてしまうということ。ですが、相手によっては一方的に話されても不快と感じる人もいるでしょう。

そこで、まずは聞き上手になろうということです。

少なくとも最初のネタ振りくらいはこちらからする必要はありますが、“俺の武勇伝を語りたいおじさん”なんかは放っておいてもどんどん喋ってくれる場合もありますね。

「No」を言う時も、まずは「Yes,but」で

また、初対面だと警戒されたりネガティブな反応をされることも少なくないでしょう。その場合も相手の言うことをいきなり否定をするのではなく、まずは肯定することが大事。

池崎さんも営業のコツとして「Yes,but」の法則を使っていたと言っていました。相手に寄り添う形ですね。

営業だけでなく、ビジネス上で常に起こりうる、日時や価格の交渉、お断りする場合など、「ちょっと言いにくいな」という場合も、一方的に「No!」と言ったら、いくら正当性があってもいい感じはしません。些細なことをきっかけにしこりが残ってしまう場合もあります。

仕事を受けているからと言いなりになる必要はありませんが、人間対人間、常に気持ちのいいやりとりを心がけたいもの。

「お世話になっております」は要るか要らないか

仕事のやりとりが電話からメールに置き換わってから随分経ちました。そして、今では若い世代だけでなく広い世代にLINEでのやりとりが増えました。

そんなLINEコミュニケーションが当たり前の世代にとって「お世話になっております」不要論が定着。

確かに、LINEは見た目も吹き出しでカジュアルですし、色つきなのもあって、あんまり長い文章だと見にくい。何よりLINEは会話のキャッチボールを楽しむツール。LINEは「結論を簡潔に!」という文化なんですね。

LINEで慣れてしまうと、ビジネスメールの畏まった文頭・文末の挨拶は不要なのもわかります。それゆえに、取引でLINEを使う場合は、逆にどの程度カジュアルさを演出すればいいのか?とむしろ気を使う人も多いそう。

ツールで使い分けるのがわかりやすい

結局のところ、PCなのかスマホなのか、ツールで使い分けておけば間違いないという結論に、現状至っています。

というのも、PCメールの場合は、送り主からのメールを単体で見る環境にあります。そこで挨拶も署名もなく結論だけ言っていたら、随分と一方的に言い放つような、横柄な見え方になってしまいます。

自分が受け取る側として考えてみても、『宛名〜挨拶「お世話になっております。」』部分と、『締めの挨拶「よろしくお願いいたします」〜署名』は、正直、全然読んでないですよね。笑
さらっと視線が流れる程度で認識はしているけど、読んでない。だから合理的に考えれば要らないのですが。

一方でLINEやスマホのメールは、長文だと全景がパッと見えない。スクロールしないと肝心の目的部分が読めないとなると、ちょっとストレスに感じますね。

とはいえ、業務連絡なのにひとことずつのLINEを10通くらいに分けて送られると「まとめて送って!!」と言う気持ちになります。遊びの内容ならともかく、仕事相手からの通知がたくさん溜まっているとげんなりしますよね。

相手との関係性にもよりますが、さほど腹を割った仲でなければ、友達に出すようなメールやLINEは控えておいた方が良さそうです。

どんな状態で見られても不快に思われない気遣いをしておこう

メールは相手がどんな状態で目にしているかわかりません。

のんびりご機嫌にゆったりお茶タイムだったらいいのですが、時間に追われるタイムアタック中かもしれません。上司や取引先に怒られた直後だったり、嫌な気分になっているかもしれません。

知らない間に火に油を注ぐようなことになっているかもしれません。想像すると恐ろしいですね。

働く人たちは大体それなりに大人なので「お前のあのメールでさらに不愉快になったんだよ!」とは言わないかもしれませんが、無言で嫌なやつと思っているかもしれません。
まあ、もちろん送った側としても「いや、そんなん知らんしw」てな感想をいだくかもしれませんが。

とは言え、受け取り側としてちょっとカチンとくるとか、「え?私なんかした?」と動揺したり不安になることだったり、「失礼だな!」と思うこと、誰しも何度かは経験があるはず。

かつて読んだ本で、アートディレクターの佐藤可士和さんのマネージャーで奥様でもある佐藤悦子さんは「カチンときたメールにはすぐに返信しない」と言っていました。そんな状態で返事をすると、どんなに気をつけてもどこかで角が立つ言い方をしてしまったり、感情的になってしまう。少し時間を置くか、急がない場合は一晩寝かして翌朝スッキリした頭で冷静に返事をするようにしていたそうです。

不必要に事を荒立てたり誤解されたりさせたり、そんなことは無いに越したことはありませんよね。カチンときても、その連鎖を断ち切るというのも大事ですね。

好印象を積み上げておくと、いざというときに助かる

自分自身、かつてもらった何気ないメールで癒された経験があります。 内容は業務連絡程度でしたが、とても丁寧なメールで、ただそれだけで気持ちがすぅっと軽くなったのを覚えています。

何かと合理性を求められ、それがよしとされる時代ですが、メールでもLINEでも、その画面の向こうにいるのは人間。ほんの気遣いがあるだけで印象は大幅に違いますよね。それ以降、その人の印象がとても良いものになったので、たまにミスをされても嫌な気持ちになりません。笑

この体験があるので、私もPCメールはなるべく丁寧にするようにしています。 どこかで誰かを癒やせてたら最高ですが、癒しまでなかったとしても、きちんとした人だな、というくらいの印象はビジネスの相手には与えたいもの。

実態とかけ離れてしまうのは問題ですが、他者を敬って誠実に対応していれば、自ずとスムーズな関係性は築けそうです。特別いい人ぶって演出する必要はありませんよね。

時代やビジネストレンドは変わっても、人柄が大事なのは変わらない

これまで一強だった大手広告代理店や大企業が、軒並み危機を迎え始めました。長らく続いていたうわべだけのいい顔で繰り返されるビジネスは、もう通用しなくなってきたように感じます。計算して裏表を使い分ける人は、見透かされるようになりました。政治も経済もなんだか化けの皮が剥がれまくってますよね。

相手を思いやる気持ちがあれば、素の人柄と本音のままで仕事ができる時代がきたようです。自分がされて嬉しいことを相手にする、というシンプルで快適なコミニュケーションをしていきたいですね。

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