2021年、仕事のスタイルが大きく変わる?『知っている』から『できる・やれる』時代へ。職人もコンサルタントも受注型から提案型に。

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テクノロジーのこの時代に、職人の力を強く感じた2020年。

最近、リノベーションをしています。

今年の9月にカフェの移転を考えていて、もともと所有していたお茶工場をカフェや撮影スタジオとして再利用しようと1年ほど前からリノベーションを始めました。補助金や人との出会いなどにめぐまれて、トントン拍子にものごとが進んで、2~3年ほどかけながらリノベーションをしてオープンにこぎつけたらなぁと考えていたことが、約1年ほどで完成までこぎつけることができそうになっております。
いろんなサポートに恵まれてこういった経緯に至ったのですが、リノベーションを手伝ってくれている一人の職人さんとの出会いがこのプロジェクトを大きく前進させたように感じています。ハイテクな時代へと突入して職人さんの仕事が少なくなってきているように感じられる昨今ですが、よくよく考えてみると、今こそこういった職人さんたちのスキルが大きく生きる時代なんじゃないかという思いを感じました。と同時に、自分もデザイナーとしてただ物事を『知ったか』だけで済ませてしまっていたことを大きく反省し、いろんなことに挑戦しようと思った2020年でした。

『知っていること』がもう武器にならなくなった時代。

すべての情報はインターネットの中に、、、、とは申しませんが、自分でも分からないことはネット内で記事を読んだり、動画を見たりして検索しています。デザイナーとして本来知っていなければいけないところも時にはネットの中で確認したりすることも。(^^;;
インターネットがなかった時代は『知っている』ということがすごく武器になりました。「情報」というものがお金になっていた時代、本やDVDなども売れていた時代です。かくいう私も20年ほど前からフリーペーパーや雑誌などを扱ったりしていて、情報というものに深く関わっていてその移り変わりを実感として強く感じました。
2021年現在、みなさんも実感しているように「情報」というものはネットが中心となっていて、『知っていること』はもはや価値が少ない時代になりました。

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『知っていること』自体に価値が少ない時代は、情報を扱っていた業界の変化だけにとどまらず、さまざまな仕事に影響を及ぼしています。例えば、私たちが購入するいろんな商品。以前はどういったものを買ったらいいかは、お店に行ったり、専門的な人に聞いたりして手に入れていましたよね。
2021年現在、多くの方がインターネットで商品情報は手に入れている時代になりました。
「街の◯◯屋さん」といったお店がのきなみ減ってしまったのも、インターネットによって「情報」が簡単に手に入る時代に変わったから、という一面もあるのではないでしょうか。『知っていること』はもはや価値が少ない時代は、こういったようにほとんどの業界に影響を及ぼしています。

「情報」が集めやすくなった時代は、より大きいところ、資本のあるところが勝ちやすくなっている。

「情報」が集めやすくなったから便利だよね!って片方では思っていたかも知れませんが、その反対側ではその「情報」としての価値を上手に集めてビジネス展開がなされています。「情報」が集めやすくなった時代は、より大きく資本のあるところに集まってしまい、大きな格差を生みはじめています。
『知っていること』の価値が少なくなっている時代は、新しい構造やビジネスモデルを『知らない』と取り残される時代にもなっています。いやはや、なんとも。。。

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「情報」が集めやすくなった時代は、逆にその「情報」を別の価値に変えて提供されています。企業が一番欲しがっていることも「個人の情報」だったりしています。「情報」を提供する代わりに「情報」を手に入れて、マーケットデータも同時に手に入れていく、、、、大きなところが勝ちやすくなっているのは、当然といえば当然ですね。
私たち個人はこういったことまで『知っている』べき時代になってきたのかも知れません。ビジネスをやる上ではなお必要なことだと思います。

個人事業主や中小企業は完全なる下請けに徹していくべきか?それとも、、、

『知っていること』の価値が低くなり、大手資本にいろんなものが集まり始めた現代、個人や中小企業は完全なる下請けにあまんじるしかないのでしょうか?

確かにお金は持っている人により集まりやすくなり、格差もひろがってきているのが今の現実だと思います。かといって、全てがこのロジックのもとにできているかというと、そうでもなかったり。
職人的な技術が重宝される場所もまだまだあります。また、地方では逆にインフラが整ってきたおかげで、都会との情報格差はほとんどなくなってきているのではないでしょうか?

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『知っていること』の価値が減り、情報」は調べることができるようになった現代は、考え方を帰ると、個人や中小企業にとっても大手と渡り合えるだけの「情報」が集められるようになった時代でもあるのです。本来は大手よりももっともっと身軽な個人や中小企業は、失敗を恐れずにチャレンジさえできれば、大手以上にチャンスを手に入れられるはずなんです!

「経営者は社員やその家族を含め、いろんなものを守らなければ」と教えられてきました。そのために、しっかりと言われたことをこなすパーフェクトな下請けになることもひとつの仕事のカタチだとも思います。しかし、せっかく起業したならば失敗を恐れずにチャレンジすることもきっといいことだと思います。今はそういったチャンスが転がっている時代でもあるのです。

『知っている』から『できる』へ。職人もコンサルタントも受注型から提案型へ。

テクノロジーが進化した現代は、昔からある職人のようなお仕事がオワコンのように言われ、コンサルタントのような意識高い系の仕事が未来型のように思われがちです。ただ、どんな職業であっても元請けと下請けの関係性があって、職業のカテゴリーによっていいものと悪いものが存在するわけではありません。

もう『知っている』は武器にはなりません。それよりも『できる・やれる』が選ばれる時代です。

『言ってくれればやります』よりも『こんなことができるのでどうでしょうか』という提案型のスタイルこそ、これからの個人や中小企業が目指すべき道のひとつなのではないでしょうか。

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新しい試みに挑戦しているベンチャーの取り組みや地方のプロジェクトをご紹介。

提案型の時代はなにも2021年から大きく変わっていくわけではなく、すでに何年も前からスタートしています。いや、むしろ何回も時代は繰り返されているのでしょう。2021年、そのスピードはきっとより加速していき、テクノロジーの変革とともに仕事のスタイルも変革の時代が色濃くなってくると思います。世間にはすでにスタートを始めているベンチャー企業や地方のプロジェクトがいっぱいあります。そういったところを参考にして、学べるところ真似できるところはどんどん取り入れていきましょう!私の知っているいくつかの事例をご紹介しますので、参考にしてみてください!

01.熱海の再生プロジェクト

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東京からほどよい場所にある温泉地として、観光旅行や社員研修の代名詞でもあった熱海。しかしバブル経済崩壊後、街はみるみる衰退し530万人ほどいた旅館やホテルの宿泊数が、2012年には半分以下になっていました。
ところが、そんな熱海ではいま若者を中心とした移住の動きが活発になり、街もにぎわいを取り戻しつつあるようです。再生を取り戻した理由はいくつかあると思いますが、世代交代のタイミングもあって地元の若者たちが中心となってさまざまな取り組みにチャレンジしたことや、イベント企画による集客が中心だった熱海市の戦略を、メディア露出を増やすためのプロモーション戦略を強化する方針に転換したことも幸いしたとのこと。

コロナ禍で多くの観光地に多大な影響がでており、熱海市も同様に苦しい立場でもあると思いますが、若者中心に生まれ変わり始めた彼らはきっと柔軟に対応していき、また新たなチャレンジを試みるのではないでしょうか。

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熱海の奇跡/市来 広一郎 (著)

02.京都おぶぶ茶苑のオーナーシップ制度

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10年以上前にお茶のオーナーシップ制度を導入した京都のおぶぶ茶苑。私たちの暮らしている静岡県もお茶の産地として有名ですが昨今、お茶の取引価格の下落が大きくお茶農家の経営を圧迫しています。
そんな状況を何年も前から見越していたかは分かりませんが、お茶の新しい取り組みをはじめていたのが京都にある「おぶぶ茶苑」です。茶畑のオーナー募集という新たな取り組みは当時から話題になっていたようですが、全く新しい業界からの参入で苦労もあったように思われます。それでも続けてこれたのはお茶に対する情熱からだったようで、根底にある職人魂のようなものと、提案していこうというチャレンジスピリッツの融合がうまくいった事例なのだと思われます。

京都おぶぶ茶苑

03.面白法人カヤックの地域移住サービス

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面白法人って!?と、いぶかしげに思った方も多くいらっしゃるかも知れませんが、この企業、きちんと株式公開もしているれっきとしたIT企業です。従業員数もグループで400名を超えております。
この面白法人カヤックを取り上げたいのは、面白いことを第一に取り組んでいるということもありますが、IT企業なのに本社を渋谷や六本木などではなく鎌倉におき、地域を中心とした新しい資本主義のカタチを目指しているところにもあります。
そんな面白法人カヤックのサービスのひとつに「SMOUT」という地域から声がかかる移住のためのスカウトサービスを始めています。コロナ禍で登録が2倍以上増えているようで、地方の可能性が今後増えていくのではないでしょうか。
地域資本主義をこういったIT企業が取り組んでいることに、地方の新たな可能性を感じずにはいられません。田舎に暮らしている我々こそがその魅力を最大限に活かすべきでしょうね!

移住スカウトサービス「SMOUT」

小さくて、儲からなくても、しっかりとした人間の生活に根差した本質があり、周囲の人々を巻き込みながら経済を生み出すビジネスモデルがたくさん生まれてくることはこれからもきっといっぱいあると思います。もともと商売の基本だったこの考えを今一度しっかりと考え、自分たちの技術やサービスがきちんとユーザーに届けられるように、失敗を恐れずに提案していくことこそこれからのビジネス社会を楽しんでいく手段のひとつなのではないでしょうか。なんでもいろんなことができる職人と会って、もっと伝えていきたい技術やサービスがあることを知った私からの提案でございました!以上。。。

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